投稿日:2016/8/17
オフィスのウェルビーイング「働くことは不健康??」
こんにちは、オフィス・ラボです。
オフィスのウェルビーイング(well-being)が話題になっています。
欧米を中心に、最先端の企業が取り組んでいる、現時点での新トレンドとなっているキーワードです。
皆さんはウェルビーイング(well-being)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
■「ウェルビーイング=幸福」ではない??
ちょっと検索をしてみましょう。
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ウェルビーイング(well-being)=幸福
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このように出てきました。
そうすると、「オフィスのウェルビーイング」とは、「オフィスの幸福」という意味になりますね。
でもちょっと待って下さい。少し違和感がないですか?
そもそも私たちの知っている「幸福」は「happiness」です。
「well-being」という言葉には、実は他の意味が込められています。
英英辞典で調べてみましょう。
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well-being
a contented state of being happy and healthy and prosperous
(幸せで、健康で、豊かさに満ちている状態)
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だいぶ意図する内容が異なっていますね。
ここから拡張し、
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ウェルビーイング(well-being)
=個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態であること
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とするのが、現代広く使われている意味となっています。
つまり、オフィスのウェルビーイングとは、
「オフィスにおける個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態であること」という、
ちょっと深い意味が込められているのです。
■オフィスにおけるウェルビーイングの考え方
ウンチクが長くなりましたが、本題に入りましょう。
突然ですが、下記の2人の場合、どちらの場合が生産性が高いでしょうか?
①心身ともに不健康な人が1日8時間働く
②心身ともに健康な人が1日8時間働く
言わずもがな、②と応える人が多いのではないでしょうか。
では、次の場合はどうでしょうか?
①心身ともに健康な人が、汚れたオフィスで、1日8時間働く
②心身ともに健康な人が、綺麗なオフィスで、1日8時間働く
この場合も、②の方が生産性が高そうです。
最後に、次の場合ではどうでしょうか?
①心身ともに健康な人が、綺麗なオフィスで、無理をして、1日8時間働く
②心身ともに健康な人が、綺麗なオフィスで、自分らしく、1日8時間働く
これは捉え方によっては回答しにくいでしょうか。両方とも正解のように見えます。
ただ、「ウェルビーイング」の考え方に即せば、正解は②になります。
■「健康」という切り口からのウェルビーイング
オフィスのウェルビーイングを考えるとき、様々な切り口がありますが、
ここでは「健康」という切り口で考えてみましょう。
これからお話することは、どの会社でもすぐに取り組むことのできる、簡単な考え方です。
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前述の選択方式の質問で例えてみましょう。
Q.次の場合、どちらが理想的なワークスタイルであると考えられますか?
①働くことは不健康に繋がる。
②働くことは健康に繋がる。
答えは心の中で想像してみて下さい。
日常働く上での、自分の環境、または自分の周りの環境はどうでしょうか?
眼精疲労や腰痛、肩こりなどといった自分の身体にとってマイナスの要素が日常化していないでしょうか?
生活習慣病にかかっている人、またはそうと思わしき人は社内にいないでしょうか?
心の病を抱えている人はいないでしょうか?「疲れた」が口癖になっていないでしょうか。
程度の差はあるにせよ、こうした内容に思い当たる節がある人は多いと思います。
実際、新聞やニュースでもこのような話題は連日の様に取り上げられています。昨今の健康ブームをみても明らかでしょう。
つまり今、多くの人にとって、「働くことは不健康」なのです。
そうした現状を打開しようとするのが、ウェルビーイングの流れです。
「働きながらにして、健康を増進する」ことを目的としています。
言っていることはわかるけど、何から始めたら良いかわからない。という人も多いでしょう。
原因と現状を知ることで、意外と簡単に取り組みことができます。
例えば、独立行政法人国立健康・栄養研究所のデータによると、
ここ10年で日本人が歩く歩数は平均1,000歩減っているといいます。
理由は様々ですが、要は、10年前と比べると基本的に身体を動かしていないのです。
ジョギングがブームになったり、様々な形態のスポーツジムが次々とできたり、
以前にも増して健康ブームであるにも関わらず、です。
そこで、ウェルビーイングの考え方が重要になってきます。
「働きながらにして、健康を増進する」
具体的には、
・歩き方や立ち方、座り方を意識的に変えてみること
・社食のメニューを見なおしたり、食事や間食に気を使うこと
・ストレッチなど、簡単にできる運動を行うこと、またはそうした場を促すこと
・照明の色合いの調節などで、身体のリズムを調える環境を作ること
などがあります。
要は、「運動は仕事が終わった後、または仕事が始まる前にすること」という概念を取り払い、
語弊を恐れずに言えば、「働きながら運動する」ということが重要になってきます。
実際、こうした取り組みを行っている企業の中には、社員が健康になった、という事例はもちろん、
生産性が上がった、業績が上がった、という単なる健康に留まらない成果を出している企業もあります。
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オフィス・ラボでは、オフィスのデザインを通じて、
社員が快適に、健康に働くことのできるオフィスをご提案させて頂いております。
もちろんオフィスのウェルビーイングについてもアドバイスさせて頂きます。
些細な事でもお気軽にご相談頂けましたら幸いです。