「会議室で話している声が丸聞こえだから何とかしたい…」
「電話で大事な話をしているのに周りの声が気になって…」
オフィスデザインのご相談を受ける中で、このような音環境問題の話をよく伺います。
特に最近は、オープンオフィスやガラス間仕切りなどの機能的なオフィスが増えてきたこともあり、
その悩みは以前にも増して顕在化しているように見受けられます。
皆さんのオフィスはどうでしょうか。
同じフロア内の人の話し声をうるさく感じたり、
隣の部屋で会議をしているからと気を遣ったり、
逆に自分が迷惑をかけてしまったり、
そのようなことはありませんか?
これは日本固有の問題ではなく、世界的に問題提起され、研究が進められてきた問題です。
特に欧米諸国ではかなり早い段階から着目されており、
例えばアメリカではオフィスにおける生産性改善を目的として
1960年代から対策がされていて、今では多くの企業に取り入れられています。
■音環境問題の種類
オフィスの音環境問題と一言にいっても、その原因は大きく3つに分かれます。
まず「騒音」。
これはオープンスペースや執務室で業務を行うにあたり、必ず付きまとう問題です。
次に「音漏れ」。
来客室や応接室、役員室などでの商談や打合せ内容が聞こえてしまうことは少なくありません。
これは逆も考えられますね、来客室で話していてオフィスの声がうるさく感じられることもあります。
最後に「反響」。
特にテレビ会議などを行う場合、音が反響してしまって上手く声が伝わらない場合は意外と多いです。
■音環境問題への対策
サウンドマスキング、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
音を流すことによって、他の音や音漏れを相殺する技術のことです。
「音を流す」といっても、大きな音を流すわけではありません。
通常に生活(業務)を行う上では気にならない程度の小さな音です。
人の音の聞こえ方の特性を応用した科学的な技術が活用されています。
このサウンドマスキングの技術をオフィスの音環境問題に活用する場合、
一般的にスピーカーから特殊な音を流すことが主流となっています。
例えば、天井裏や床下、会議室のデスク、パーテーションにサウンドマスキングを施すことで、
「会議室で話している会話内容が認識しづらくなる」
「電話で大事な話をしている時に周りの声が気にならない」
といった音環境を創出することができるのです。
サウンドマスキングに加え、オフィスに適したBGMを流すことや吸音処理を施すことによって、
オフィスの音環境対策はより万全なものになります。
■音環境問題とオフィスデザインについて
オフィスデザインを考えるとき、
「音環境問題」に対して配慮することは非常に重要なことだと考えています。
オフィスデザインは、単に見た目が格好いいオフィスを提案するものではありません。
オフィスで働く人の生産性を向上させる環境を提案するものです。
今回例に挙げたサウンドマスキングなどは、表から見える部分ではありませんが、
オフィスの生産性を考えた場合、重要な役割を担うものとなります。
(情報提供:コクヨ株式会社)