デザイン

五感で働き方を操る デザインオフィスのつくり方

コロナの影響もあり、「オフィスに出社すること」と「健康を維持すること」は以前にも増して重要になっています。

 

消毒や除菌対策はすでに当たり前のように行っている企業も多い中、

オフィス・ラボからさらなる対策として提案したいのが「五感を刺激すること」。

五感を刺激することで心身への良い影響もあり、状況に合わせたコミュニケーションを促すことにも一躍買ってくれます。

 

オフィス・ラボではこれまでも様々な五感のコラムを書いてきていますが、

「生産性向上にいい」など何となくいいことは判っているけれど、

実際にどうオフィス内に取り入れていけばいいのか、効果はあるのか、デザイン性はどうなのか…など、不安なことも多いのではないでしょうか。

 

そこで 今回は、デザイナー視点での、五感アイディアの取り入れ方のコツをお伝えしていきます。

 

 

第一の感覚『 視覚 』

 

 

視覚から得られる情報は非常に多く、

メラビアンの法則によると、人は受け取った情報のうち55%を視覚から得て判断していると言われてます。

表情、身だしなみ、場所であれば整頓されているか…など、視覚に影響する情報は様々ですが、デザインで特に気にしているのが「色」です。

 

色にはそれぞれ人に与える印象があります。

オフィスでも適切に配色計画を行うことでより効果の高い空間演出が可能となります。

 

強い、闘争、情熱的、明るい、活動的な、興奮

イメージ:炎、血

 

オレンジ

暖かい、明るい、元気、健康的、楽しい

イメージ:太陽、夏、ビタミン

 

自然な、落ち着いた、安心する、堅い、渋い、おとなしい

イメージ:土、木

 

明朗、希望、喜び、暖かさ、幸福、躍動、賑やか

イメージ:太陽、光、柑橘系

 

自然な、安らぎ、落ち着き、癒やし、若さ、爽やか、新鮮、安全、平和

イメージ:森、植物

 

冷静、神秘的、孤独、静か、知的、爽やか

イメージ:水、空、地球

 

□白□

純粋、神聖、清潔、無垢、明るい

イメージ:無

 

■黒■

強さ、クール、高級感、シック

イメージ:夜、伝統

 

 

例えば、活発に意見交換したい会議室であれば赤色を取り入れる、休憩エリアには緑や青を使うなど、

空間の持つ狙いに即した配色計画を行うことでしっかりリラックスをしたり、高い中注力をサポートすることが出来ます。

ワーカー心理に合わせた配色計画を行うことで心と身体に優しいオフィスづくりが可能となります。

 

ちなみに白(white)と黒(black)は同じ語源からできており、

どちらも「色がない」という意味だそうです。

世界から色がなくなったとき、白くなるのか、黒くなるのか感じ方の違いでここまで意味が変わってくるんですね。

 

 

 

第二の感覚『 聴覚 』

 

 

オフィスにおける『音』の環境は、仕事に集中するうえでとても重要な要素の一つです。

 

集中したいのに、周りの音が気になって集中できなかった。という経験は皆さんお持ちではありませんか?

音の感じ方は人によって異なり、同じ音でもその時の気分や聴く場所によって感じ方も違ってきます。

音に関する問題は、大きく分けて、「騒音」「音漏れ」「反響」という3つ要素からなっています。

これには「防音」「マスキング」の2つにより対処出来ることが多いです。

 

【防音】

外の音が室内に入ったり、室内の音が外に漏れたりするのを防ぐことを意味します。

具体的な方法として、『遮音』と『吸音』があります。

 

●遮音

空気中から伝わってくる音を跳ね返すことで、音を遮断する方法。

 

●吸音

吸音材などを使って音を吸収することで音の反射を防ぎ、

音が室外に透過することを防いだり、音を発している室内における音の反響を抑える方法。

 

例えばWeb会議用ブースなら、外からの音を「遮音」し、中で発生する音を「吸音」することで、

外の音は聞こえづらく、中で話していても反響することなく鮮明な音声を届けることが可能になります。

 

遮音性能が高すぎると必要な非常用放送が聞こえないなどデメリットもあり、

どちらの防音対策が適しているかは、場所の用途によって適切に選択する必要があります。

 

【マスキング】

発生する音を別の音で覆い隠す方法。

 

マスキング効果は、従業員個々の生産性向上のみならず、円滑なコミュニケーションを図るのにも一役買っています。

適切に調整された音量でサウンドマスキングやBGMなどの音源を流す事で、

周囲の会話や環境音等が掻き消され集中して仕事に打ち込めるようになります。

また気になっていた音が掻き消されることにより、働いている方の生産性の向上も期待出来ます。

 

音環境を意識してデザインすることは、オフィスに限らず、

テレワークを行う際にも、快適に働く環境を構築するうえで重要な要素となっています。

 

みなさんも働く人の心と身体のバランスを整えてくれる音の効果を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

第三の感覚『 触覚 』

 

 

手袋をすると上手くつかめないけれど、直接触れるとそれが何かわかる―

 

人の触覚は超高機能センサーで、特に指先の感覚は敏感です。

触覚は身体全体から感じる情報であり、感じ方も個人差が大きい感覚のため、

「これとこれを組み合わせれば、こういう感覚が発生する」という形での解釈がされておらず、

五感の中で最も研究が進んでいない分野といわれてきました。

 

しかし、近年研究が進み、他の感覚と組み合わせることで新しい効果を生み出すことができることが分かってきました。

 

スマホやパソコンなど一人一台以上が当たり前となった現在、

日常におけるデジタルコミュニケーションでは視覚や聴覚が多くなりがちですが、

だからこそ、オフィス内での直接的なコミュニケーションは視聴覚刺激以外の知覚情報を刺激して

脳を活性化させるチャンスと言えるのではないでしょうか。

 

こんな実験があります。

睡眠不足状態のマウスを滑らかな床と凸凹の床に置いて、

翌日の記憶の残り具合を調べると、凸凹の床にいたマウスの方が記憶力が良かったとの実験結果があり、

これは脳が疲れていても、触覚による神経回路を刺激すると記憶力アップに繋がることが分かっているのです。

 

例えばオフィスのリフレッシュエリアにボルダリングの設備を設けることが出来れば、

脳を刺激して、短時間でも質の良いリフレッシュが可能になったり、新しい企画発想のヒントが思いつくかもしれません。

 

 

第四の感覚『 味覚 』

 

 

「味覚」というものは、知覚心理学的には、味覚は単独では存在しえず、

嗅覚、視覚、触覚など、他のさまざまな感覚や記憶の影響を受けることで

総合的な「味覚」を形成すると言われています。

 

たとえば、同じ味のおにぎりでも、見晴らしの良い自然の中で友人とわいわい食べると美味しいのに、

自宅で1人で食べると美味しさが半減したり、

アツアツの鉄板にのったステーキと、紙皿にのったステーキとでは、

鉄板のステーキの方が美味しそうに感じたりします。

 

つまり、香りや温度、色、雰囲気、気温、健康状態、気分や記憶によっても味覚は変化するということなのです。

 

味覚から得られる好影響としては

■リラックス効果

・コーヒー

・緑茶

・ハーブティー

 

■ストレス軽減効果

・飲むヨーグルト

・味噌汁

・ココア

 

■疲労回復、血行促進効果など

・炭酸水

・オレンジジュース

・抹茶

 

おやつはラムネやバナナ、チョコレート、ナッツやドライフルーツなどがおすすめです。

この「味覚≒情報を食べる脳の働き」を利用して、

まずはオフィスでも簡単に取り入れられる飲み物から、心と身体の健康を見直してみるのも良いかもしれません。

 

 

第五の感覚『 嗅覚 』

 

 

匂いを処理する脳の嗅覚野は、感情に関する部位(扁桃体)や記憶に関する部位(海馬)、

複数の感覚に関する部位(前頭眼窩野)といった脳の他の部位とつながっています。

 

匂い情報は、脳のさまざまな部位によって解釈され、思考や感情、行動という形の反応を呼び起こします。

ある香りを嗅いで、数年前のある場面が蘇ったりと香りと記憶、脳はダイレクトに直結しているのです。

 

嗅覚を利用した心身への好影響の一つとして、アロマを使ったストレス緩和があります。

アロマテラピーは、ストレスを癒したい時、前向きな気持ちになりたい時、

悲しいことや不安、緊張している時に心を癒してくれる効果があるのです。

 

最近では企業で開催するアロマ講座も多く、

リクリエーションとしてのアロマ講座から、

ストレスケア、メンタルケアなどの悩みを聞きながら内容を決定する講座などを開催し

社員のメンタルケアを行う企業も増えています。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

 

みなさんも新しいオフィスを計画する際に、五感にフォーカスを当てたオフィスデザインをして、 心身共にパフォーマンスを上げてみてはどうでしょうか。

 

今回の事例は五感を活用したアイディアのほんの一部に過ぎません。

 

オフィス・ラボではアフターコロナを見据えた新しいオフィスを追求し続けて行きます。

今回のコラムをお読み頂いて、少しでもご興味をお持ち頂いた方は、是非オフィス・ラボへお気軽にご相談下さい。

 

 

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