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<DESIGNER'S REPORT>~リサイズオフィス~ part3

こんにちは、オフィス・ラボです。

 

「DESIGNER'S REPORT」はオフィス・ラボのデザイナーが、デザイナー目線でオフィスにまつわる様々なことについて、考察していくレポートです。

 

全3回にわたり「Resize Office(リサイズオフィス)」の課題や解決方法など、実際の事例を交えてご紹介しております。
1回目は「Resize Office(リサイズオフィス)が増えている理由」、2回目は「リサイズを実施する上で大切なポイントについて」をテーマにしてお伝えしました。

最終回の3回目は、「リサイズオフィスの具体的な事例と解決策」をテーマにお伝えします。

それでは、実際にオフィスをリサイズするとは、どういったものがあるのか詳しく見ていきましょう。

 

◆リサイズオフィスの種類

先ず、リサイズには大きく分けて下記の2通りの方法があります。

 

◎移転を伴うリサイズ

◎現状の場所をリサイズ


では、2通りのリサイズに関して詳しく見て行きましょう。

オフィスの変化パターン

 

◎移転を伴うリサイズ
先ずは移転を伴うリサイズです。

移転を伴うリサイズには3通りあります。

 

①縮小(事業の縮小・効率化も含めた、減床)

②分散(サテライトオフィス含んだテレワーク)

③増床(事業拡大、環境改善などを含む)

 

◎現状の場所をリサイズ

次に現状の場所をリサイズする方法です。

現状の場所をリサイズするにも3通りあります。

 

④レイアウト変更(床面積は同じ)

⑤縮小(分散を含む縮小)

⑥増床(支店の集約に伴い、本社があるビルで増床するなど)

 

これらの複合的なリサイズの場合もありますが、ほとんどが①~⑥にあてはまります。

 

◆具体的な事例

それでは次に「移転を伴うリサイズ」「現状の場所をリサイズ」それぞれの具体的な事例を見て行きます。

 

引越し、移転は大変

 

①縮小移転このコロナ禍により、急速にテレワーク化が進み、働き方改革が進むなかで、もっとも多いのがオフィスの縮小です。

その中で現在の場所から移転してリサイズを行う理由として挙げられるのは以下のような場合が多いようです。

 

 

  • テレワークが定着していて、出社率の低下が実現出来ている。

  • 今後も一定の出社率で事業が成立つ。

  • オフィスを縮小、移転をすることで賃料を始めとしたオフィスの運用コストの見直しをし圧縮・削減を計りたい。

 

 

移転をするので、レイアウトの見直しは比較的行い易いやすいのが特徴です。

縮小移転で気を付けなければならないのは、前回(2回目)でもお伝えしたように、面積縮小やコストダウンだけが決まっていて、今後の事業計画における人員計画を考慮出来た必要面積になっているかということです。

https://www.officelab-ka.com/column/8700/

事前に各セクション毎の全体人数、出社率の設定を決め、それに応じた必要な面積の算出などを行い、それを基に全体で必要な面積を算出することが必須となります。

ただ賃料に関しては必ずしも坪単価の低い場所への移転とは限らないようです。

面積を縮小して圧縮・削減をした分の運用コストを、現状より利便性の良い場所やセキュリティーの高い環境のビルに移るという考えで移転をおこなう企業もあります。

もう一点気を付けるべきなのは、縮小移転で環境が良くなり出社率が上がったり、人員増加により座席数が確保出来なくなり、結局増床移転するといったことがないよう、今後の運用に支障が出ないよう余白を残しておくことが重要になります。

 

②分散移転

移転を機にオフィスを分散させる企業も出て来ています。

ITベンチャーなどの場合、オフィスを構えるのを止める企業もありますが、多くの企業は本社機能としてのセンターオフィスを会社の象徴的存在として捉える業種のほうが多いです。

分散移転を行う理由は、①の縮小移転と同様の理由が多くあります。

 

 

  • テレワークが定着していて、出社率の低下が実現出来ている。

  • 今後も一定の出社率で事業が成立つ。

  • オフィスを縮小、移転をすることで賃料を始めとしたオフィスの運用コストの見直しをし圧縮・削減を計りたい。

 

 

これらの部分は「①縮小移転」と共通していますが、分散移転の目的には、別の理由もあります。

 

  • リスクの回避

コロナ禍に限らす、他の疫病や災害など不測の自体が起こったときに拠点がいくつかあるほうがリスクを回避が出来る。

 

  • 自宅でのテレワーク環境を整えるのが困難

自宅では集中出来る環境がない場合、出社することを選択するしかありませんが、自宅近くにオフィスがあることで通勤時間の短縮や交通費の削減が見込める。

 

分散移転の場合、サテライトオフィスだけではなく、レンタルオフィスやコワーキングスペースの活用なども考えられます。

様々なメリットはありますが、分散することで賃料や経費が増加する、セキュリティーの問題が発生するといったデメリットも多いので、先ずはセキュリティーのしっかりしたレンタルオフィスの活用や、コワーキングスペースの法人契約で試験運用を行うなど、どの程度の割合で分散すれば効果が現れるかを検証(シュミレーション)することをお勧め致します。

 

③増床移転

こちらに関しては他の移転とは少し事情が変わってきます。

理由として最も多いのが、増員により現状のオフィスの面積では収まらなくなってきているというものですが、その他の理由としては、

 

 

  • 他拠点との統合

  • オフィス環境の改善(ABWなど、オフィスのなかで働き方を選択出来る環境整備など)

 

 

などが挙げられます。

これらの背景には、企業側が出社率の増加を望んでいたり、社員の離職率を押さえる為であったりと理由は様々です。

増床する場合の注意点は、移転先でのオフィスのあり方を明確に設定することにあります。

移転前よりも面積が多くなるからといって、パーソナルスペースの割合を上げていると、当然新たな増員や他の目的の為のスペースの確保が難しくなります。

フリーアドレスやABWの考えを導入して、共有で使えるスペースを多く取り、変化に対応出来るフレキシブルなオフィスを構築することが重要になります。

 

オフィス什器納品作業

 

④現状の床面積でのレイアウト変更

ここからは「現状の場所をリサイズ」する場合です。

そのなかで「現状の床面積のままでのレイアウト変更」を行う理由を見て行きましょう。

 

 

  • 増員や部署編成、会議室やWebブースの増設が必要

  • 他拠点との統合

  • オフィス環境の改善(ABWなど、オフィスのなかで働き方を選択出来る環境整備など)

 

 

増員には、拠点の統合によるものもありますが、最近多いのは、働き方改革やWeb会議の増加に伴う、Webブースの設置やWeb会議に対応した会議室の増設やWeb配信をする為のスタジオの設置などです。

既存の会議室を分割してWebブースを設置するなど、テレワークに対応する為のレイアウト変更が多いのが特徴です。テレワークが定着し、出社率の低下が実現出来ている為、オフィスを有効に使いたいという要望が多い傾向にあります。オフィスを有効に使いたいという理由には、増床の時の理由と同様に、企業側が出社率の増加を望んでいたり、帰属意識の低下を防ぐ為、出社したくなるようなオフィスにしたいといったものが多いです。出社率を増やしたい理由は様々ですが、一番大きな理由はコミュニケーションの活性化ではないでしょうか。

会社に対する帰属意識の低下や、テレワークでの孤独感、社員の管理や公平な評価、健康管理など、テレワークでは見えずらい問題は、ネットワークなどICT環境やセキュリティーなど設備的な環境整備だけでは難しいのが現状です。また「0」から「1」を生み出すチームで行うプロジェクトなどをテレワークだけで行うにも限界があります。同じ空間にいるからこそ伝わる熱量が、テレワークだけでは伝わり辛かったり、オフィスでの何気ない会話から触発されるイノベーション、セレンディピティなどが少ないといった点も挙げられます。

こういった理由から、オフィスの面積は維持して、社員が自発的にオフィスワークを希望出来るような(テレワークは認めながらも出社を促す)快適なオフィス環境にする為にレイアウト変更を考えている企業が増えてきています。

 

⑤現状の床面積での減床(縮小)

こちらもオフィスの縮小の理由として挙げられるのは前述「①縮小移転」と同様の理由が挙げられます。

 

  • テレワークが定着していて、出社率の低下が実現出来ている。

  • 今後も一定の出社率で事業が成立つ。

  • オフィスを縮小、移転をすることで賃料を始めとしたオフィスの運用コストの見直しをし圧縮・削減を計りたい。

 

 

ただし移転と違い、居ながらのレイアウト変更の場合、事業を継続しながらの作業になる為デメリットも多くなります。

 

 

  • 週末や長期休暇での工事(作業)対応になり、工事期間が長くなる可能性が高い。それが原因によりコストが増大する。

  • 一次的な荷物の逃がし場の確保など、社員の負担も大きくなる。

 

 

こういったリスクを少なくする方法としては、下記のような対処が必要になります。

 

  • レイアウト変更を行う場所と、変更しない場所を明確にメリハリを付ける。

  • 工事期間中はテレワーク率(在宅だけではなく、一時的にコワーキングやレンタルオフィスを利用する)を上げる。

 

 

また現状の床面積のままオフィスはリサイズして縮小し、余白の部分を社員の福利厚生の場所にしたり、サブリースにして家賃収入を得るという選択肢もあるので、本当に縮小するのが得策かどうかは、ビルの賃貸条件、再びいまの場所で増床することが可能なのか、移転や別の場所が必要になるのかなど様々なシュミレーションをおこなってから決めるべき内容になってきます。

 

現状の床面積からの増床

こちらに関しては以下のような理由が考えられます。

 

 

  • 増員や部署編成、会議室やWebブースの増設が必要

  • 他拠点との統合

  • オフィス環境の改善(ABWなど、オフィスのなかで働き方を選択出来る環境整備など)

 

 

上記のように「③増床移転」や「④現状の床面積でのレイアウト変更」と同様の理由の場合が多いです。

前述の「現状床面積でのレイアウト変更」や「縮小」と違い、増床する分だけスペースの余裕はありますが、現状のレイアウトも含めた全体的なレイアウト変更は多くなる傾向があります。

その為、事業を継続しながらの工事になるので、デメリットも多くなるのは同様となります。

どのリサイズの場合でも、他拠点との統合では、どれだけ共有出来る空間を作れるか、また場所だけでなく部署など人の配置などの統合・再編も考慮に入れて行う必要がある為、人事との連携も必要となります。

 

◆まとめ

今後、多くの企業でアフターコロナを見据えたオフィスのリサイズは続くと予想されます。

縮小だけではなく、増床を含めたレイアウト変更、サテライトオフィスやコワーキング、シェアオフィスを活用したテレワークによる分散化と、オフィスのあり方は、働き方同様に多様性を求められるようになってきました。

本音の部分では出社を求めている部分もありながら、コロナ禍で定着したリモートワークの流れから元の全出社に戻すのは、今後の人材確保にも影響しかねない為、企業も慎重にならざるをえません。

リモートワークに必要なITインフラの整備、セキュリティーなども選択肢が増え、各種の助成金やコスパの良いプランも出てきています。

その為、自宅やサテライトオフィスなどから働くリモートワークと、出社して働くオフィスワークの2つを掛け合わせたハイブリッドワークを選ぶ企業は増えていくと予想されます。

 

在宅(リモートワーク)の画

 

オフィスを最適化するリサイズには、働き方改革が必須(前提)となります。

テレワークやABWなどの環境整備がなされていないと、リサイズ後のトラブルが多くなり、再度移転や改装が必要になる可能性が高くなります。

その為、企業のビジョンやアイデンティティを可視化したセンターオフィスのあり方を示すことは、企業にとってますます重要な課題になってきています。

先ずは企業としてのビジョンを明確にし、それらを社員にどのように伝えていくか。その伝え方・伝わり方によって、今後のオフィスのあり方が明確に見えてくるのではないでしょうか。

 

オフィス・ラボでは、企業ごとの働き方に合わせたオフィスの再構築をお手伝いさせていただいております。また、リサイズオフィスをはじめとした多くのサービスをご用意して、豊富な知見と経験を持ったPM(プロジェクトマネジメント)でお客様目線に立った、ご支援をさせていただきます。

 

オフィスレイアウト打合せ風景

 

いかがでしたか?

「リサイズオフィス」をテーマに全3回にわたり様々な角度からオフィスのあり方をご紹介してまいりました。

 

次回からは、全2回にわたり「森林の環境問題」をテーマにたオフィスのあり方をご紹介してまいります。

 

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