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<DESIGNER'S REPORT> ~ 森林の環境問題 ~ Part 1

こんにちは、オフィス・ラボです!

 

「DESIGNER'S REPORT」はオフィス・ラボのデザイナーが、デザイナー目線でオフィスにまつわる様々なことについて、考察していくレポートです。

 

全2回にわたり「森林の環境問題」をテーマに連載していきます。

初回は、「木材の循環型社会」とオフィスで木を取り入れる事の効果 についてお伝えしていきます。

 

木材をオフィスに取り入れることは、空間の雰囲気を温かく心地の良いものに変えたいときに役立ちます。オフィスで働く従業員ひとりひとりが木材のリラックス効果を得ることによって、ストレスが軽減され、仕事の質も向上し、良い成果を生み出すことにも繋がります。

オフィスデザインを考えるときは、どうしても機能性を重視してしまいがちですが、機能性に加えてリラックスして仕事がしやすい環境を整えることも大切です。

それに加えて、森林を守るために木や森林の役割や、森で起きている問題、そしてこの先このままではどうなってしまうのか。より木や森林に対する理解を深めていただくことで、もっと木や森を身近に感じて欲しいと思っています。

 

 

【 目次 】

1.森林破壊における日本の現状と、持続可能な「木材の循環型社会」

2.「木材の循環型社会」の実現に向けて、オフィスに木を取り入れてみましょう!

3.まとめ

 

1.森林破壊における日本の現状と、持続可能な「木材の循環型社会」

  1-a.日本の森林について

  1-b.持続可能な「木材の循環型社会」とは

 

1-a.日本の森林について

 

 

私達の住む日本は、世界有数の森林国であることをご存知でしょうか。

元々豊かな森林があり、第二次世界大戦後の需要が増え、拡大造林により人工林が増えました。国土の約6割は天然林であり、その約半分は人工林です。

日本の天然林の多くは広葉樹林。日本人の暮らしと共にあった里山や鎮守の森、あまり人が入らない奥山まで、天然林は幅広く分布しています。

しかし時代と共に安い輸入材に押され、今や木材供給量のほとんどが輸入材と言われています。人の手で植え育てられた人工林の約9割は、スギ、ヒノキに代表される針葉樹林。生長が早く建築資材等に利用できるため、高度成長期に大量に植林されました。

(スギ花粉症の日本人が多いのは、それらが樹齢30年以上になり、大量の花粉をまき散らすようになったからであるとも言われています。 ※諸説あり)

林業の多くは輸入木材の拡大によって国産木材の需要が激減したため、木の伐採が行われず放置され、供給過多となり森が荒廃し続けているという現状があります。

 

1-b.持続可能な「木材の循環型社会」とは

 

 

木材は、先人たちが植えて育てた森林から伐採し、建築用材等として利用することによって、 その販売収益を用いて伐採跡地に次の森林を植えて 育てることができ、さらに将来の世代がその森林か ら木材を収穫(伐採)し利用することができます。この 「植える→育てる→使う→植える」というサイクル (森林資源の循環利用)をすることで、適切なバランスが確保されるとともに、将来にわたる木材の利用が可能となります。

木材の利用を促進することは、健康的で温もりのある快適な生活空間の形成や、二酸化炭素の排出の抑制及び建築物等における炭素の蓄積の増大を通じた地球温暖化の防止及び循環型社会の形成にも貢献することが期待されています。

 

2.「木材の循環型社会」の実現に向けて、オフィスに木を取り入れてみましょう!

  2-a.抗菌・消臭にも役立ちます

  2-b.木の香りで、心も体もリラックス!

  2-c.木は視覚的にも効果があります

  2-d.長く使い続ける事ができます

 

2-a.抗菌・消臭にも役立ちます

 

 

日本では昔から水気をきった茶ガラを畳にまいて履き掃除をする習慣がありました。これは茶のポリフェノールに消臭作用があるためです。同様にヒノキ、スギ、ヒバの香りにも消臭作用があることが知られています。

害虫避けとしても古くから利用されてきたのが植物の精油。たとえば蚊取り線香はスギの葉が原料に使われていますし、クスノキから抽出された「しょうのう」は防虫剤として愛用されています。青森ヒバの産地である青森地方では、住宅の土台に青森ヒバが使われることも多いそうです。その理由は、ヒバがシロアリに強い抵抗力を持っているため。木の香りはダニの繁殖を抑えることもわかっていて、家庭でのダニ対策としても木材が役立っています。

 

2-b.木の香りで、心も体もリラックス!

 

 

遠くの山々が青い薄靄がかかったように霞んで見えることがあります。これは森林の木や葉から発散する香気成分を含んだ空気が上昇し、細かい水滴( 0 . 1ミクロン以下)となって太陽光線の青い波長の部分を反射してそのように見えるのです。

植物から発散されるこの成分を「フィトンチッド」といい、森の中でこうした成分を吸

入することを「森林浴」と言います。この成分には周囲の細菌やウイルスの繁殖を抑える

作用があり、またその心地よい香りは私たちの気分を爽やかにするだけでなく、精神的ストレスを解消するのに役立ちます。

 

2-c.木は視覚的にも効果があります

 

 

「温かみ」「心地よさ」といった印象の通り、木材は目にやさしいこともわかっています。光には多くの紫外線が含まれていますが、人の目にとって紫外線は有害なもの。雪原などを歩いていて起こる「雪目」などはその典型です。しかし、木材は紫外線の反射が少ないため、光沢は目に穏やか。紫外線を吸収する一方、赤や黄、赤外線を大きく反射するので温かみを感じさせてくれるのです。木材の色彩は樹種によってさまざまですが、黄みが強くなると明るく軽快なイメージ、赤みが強いと重厚なイメージになります。

 

2-d.愛着をもって、長く使い続ける事ができます

 

 

1本の木それぞれにストーリーがあります。生産者、生産地、その土地の風土や風習。そうした木の背景にある物語を知ると、木そのものや、その木を使った空間・家具に愛着が生まれます。

木は植えられてから伐採・加工されるまでの数十年の間で、たくさんの人の手を渡っていきます。未来を想像しながら植えた人、丁寧に育てた人、先人に感謝しながら伐採した人、そして想いを引き継いで加工する人。それぞれの人の想いと愛情が物語となって木には刻まれているのです。

 

3.まとめ

森林は、枝打ちや間伐といった、人の手によるメンテナンスが必要不可欠です。しかし、主に経済的な事情によって、こうしたメンテナンスが施されず荒廃した森林が増加しています。この問題が解決されるためには、国産木材・間伐材に新たな価値を付け、世に広く流通させる必要があります。

この問題は、1社で解決できる規模ではありません。このコラムをキッカケに、様々なアプローチの方法で、この問題に取り組まれる企業・団体が増えることを望みます。

 

オフィス・ラボでは、オフィスデザインの一環として、各木材什器メーカーの製品を幅広く取り扱っています。

次回は、そんな木の什器を具体的にご紹介していきます。お楽しみに!

 

※1 株式会社キノシタ公式サイト Caloreより

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